「私ほめられて伸びるタイプなんです」
な~んて、いきなり部下にそんなこと言われたら、
部下が新垣結衣ちゃんでもないかぎり、張り倒して
しまいかねませんね。
ただ、逆に「叱ってほしいんです」とかいわれたら、
それはそれでちょっと気持ち悪いのですが(笑)
あくまで個人的感覚ですが、上司が部下を「育成する」
のは、限りなく困難なこと、と考えております。
年端もいかない子供ならともかく、既に人格の形成された
大人が、良くも悪くもそう簡単に変わるはずがありません。
従って、仕事においては、部下に技術的な指導はできても、
本人が自発的に「もっと成長したい」と思わなければ、
本当の意味での成長はないのではと思っています。
従って、円滑な業務の遂行という上司の使命に照らせば、
上司に求められるのは、必要最小限の技術的指導に加え、
いかに部下に最高のパフォーマンスを発揮してもらうか、
言い方を変えれば「うまく乗せる」技術だと思うのです。
叱られることでいい気分になり、パフォーマンスが上がる
人は、よほどのドMさんでもないかぎり、少数派でしょう。
大多数の人はおだてられてうまく乗せられる方がいい気分
になり、やる気が出るものです。
また、叱られることで成長しないとと思い、パフォーマンス
が多少は上向く人もいるのかもしれませんが、これは、叱ら
れて(イヤイヤ)勉強するか、自分で必要性を理解し自発的
に勉強するか、という古典的論点と同じで、同じ努力により
得られる成果に大きな差が生じるものと推察します。
上司の立場に戻れば、某在阪金満球団の監督でもない限り、
誰しも「配られたカード(部下)」で勝負するしかないのです。
配られたカードを最大限に活用する方法を考えれば、おのずと
どういった方法がよいか、見えてくるのではないかと思います。
翻れば、歴史上の偉人も同じ趣旨のことを言っています。
「やってみせ、言って聞かせてさせてみせほめてやらねば
人は動かじ」(連合艦隊司令長官、山本五十六)
「他人のあら探しは、なんの役にも立たない」
(『人を動かす』の著者、デール・カーネギー)
「ブタもおだてりゃ木に登る」(不明)
しかし、ここまで明確な答えが出ているにもかかわらず、
なぜ「ほめて伸ばす」はなかなか浸透しないのか。
答えは明白です。ほめるのは、きちんと部下と向き合って
いないと(ほめどころを見つけるのが)難しいからです。
この世知辛いご時世、プレイングマネジャーではそういった
時間もなかなか取れない、とはお察しいたしますが。。。
また、じっくり向き合えば、足りないところが目につき、
感情的に叱責してしまうことにもつながりやすいですが。
逆に、きちんと部下と向き合い、ほめて動かすことができれば、
上位1割に入ることができるとも考えられますね。
また、感覚的なものですが、そういった方ほど、社内だけ
でなく、お客様からの評価も高いように思います。
よく気が付くことは仕事ができることに通じるからかな、
と思っていますが・・・。
かくいう私も、そういう人を目指して日々精進であります。
公認会計士・税理士
大塚祐介
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