この時期に申告漏れニュースが相次ぐ理由

ここのところ、申告漏れに関するニュースが相次いでいますね。


竹中工務店、1・9億円所得隠し…追徴税額納付(2013.3.22 14:45 読売新聞)
子会社への外注費の一部について、同国税局は「実態は子会社への資金援助で、
課税対象の寄付金に当たる」と判断し、重加算税の対象にしたとみられる。

蝶理が1億1千万円所得隠し 大阪国税局が指摘(2013.3.13 11:23 産経新聞)
「派遣された社員は子会社の収益に貢献しており、蝶理の費用負担は子会社への
支援にあたる」として、社員の給与や出張費などを法人税法で経費への計上が
制限されている寄付金であり、所得隠しと判断したとみられる。


たまたま大阪国税局で二連発ですが、名古屋国税局も負けじと頑張ってますね。


材木卸売会社、2億円所得隠しの疑い 名古屋国税告発(2013.3.19 3:01 朝日新聞)
製材会社などの荷主から材木を販売委託され、愛知県大口町の木材市場などに出荷。
荷主との間で約束した販売予定価格よりも建材業者らに高く販売した際、その分の
所得を隠していた疑いがある

忘れかけてますが、名古屋国税局では少し前にはこんなのもありました。

板東英二さん事務所申告漏れ 7年で7500万円(2012.12.27 11:21 産経新聞)
同社は大阪府のイベント企画会社に、テレビ番組の企画・制作を外注したように装い、
所得を圧縮するなどしたほか、板東さん個人の費用を経費として計上したりしていた。


自営業や中小企業の経営者さん、経理職以外の方にはあまり知られていないかも
しれませんが、実は、税務調査は基本的には年中行われており、申告漏れが見つ
かるのも、それこそ年中行事なのです。

ではなぜ「今」ニュースリリースされるのか。(某予備校教師風に)

それは、国税庁が、申告時期(個人は3月15日、三月決算法人であれば決算目前)
前になると、マスコミを通じて、納税者に対して「国税庁はちゃんと見ているから、
適正な申告と納税をヨロシクね!(ニッコリ)」というメッセージを送っているのです。

但し、専門家としてあえて言わせて頂くと、大阪国税局の二件は、いわゆる
「見解の相違」であり、「グレーゾーン」の中での争いです。金額こそ大きく、
インパクトがあるものの、イメージ程悪質なものではないと思います。

しかし、名古屋国税局の二件は、「売上の除外」と「架空経費の計上」であり、
報じられている内容が事実なら完全な脱税です。同じように見えるニュースでも、
悪質度が全く違います。


そういった意味では玉石混淆ですが、今後は相続税増税が見込まれるので、
以下のような相続税の申告漏れ関連のニュースも増えるでしょうね。

宮司が相続税8千万円脱税容疑 東京国税局、横浜地検に告発(2013.3.4 12:36毎日)
宮司は平成22年7月に死亡した母親=当時(90)=名義の複数の口座から
現金を引き出したまま、期限までに税務署に申告せずに相続財産約3億円を隠し、
相続税約8千万円を脱税した疑いが持たれている。宮司によると、隠した相続
財産の一部は3人の子供に渡し、大半を自宅で保管していた。


こんな単純な方法で国税から逃げられると思ったら大間違い、ということを
全国ネットで宣伝できることを思えば、やはりマスコミの力は偉大であり、
それをうまく使う国税もやっぱりやり手である、ということですね。


税理士・公認会計士
大塚祐介
スポンサーサイト

| ホーム |


 ホーム