大阪の随所で日常的に交わされる「もうかりまっか?」とか
「最近忙しいですか?」という会話。
この質問に対する回答の常套句が「ぼちぼちでんな~」
こんな、大阪商人感丸出しの会話を本当にするかは別として、
なぜこういった文句が使われるのか、考えたことがあります。
最初は、単にいちいち状況に照らして適切な回答を考えるのが
面倒だからかな、と思っていましたが、どうやら違うようです。
もし、本当に忙しく、そして儲かりまくっていたとしても、
「いや~、忙しくて忙しくて寝る間もありませんわ」なんて
正直に答えたとすると、聞く人によっては、『なんやうちは
暇やのに、腹立つな~』とか、『あんたの商売でそんな忙しい
わけないやろ、要領悪いんちゃうか』とか、うがった見方で
受け取られる場合があります。
一方で、本当に暇で暇で、業績が青息吐息だったとしても、
「ほんまに暇でしゃ~ないですわ、なんか仕事おまへんか」
なんて正直に答えたとすると、『こんな暇な人、きっと仕事
がいい加減で干されてるんやろな、違う人にたのも』とか、
こちらもあらぬ受け取られ方をする可能性があります。
これら両方のリスクが排除できるのが「ぼちぼちでんな」
なのです。しかも、うそにならず、嫌味がない。
この言い回しを最初に使い始めた人はすごいと思いました。
同じ言葉でも人によって受け止め方が違うので、ささいな
発言でも、上手い言い回しを知っておきたいですね。
公認会計士・税理士
大塚祐介
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